京ことばは日本語のふるさと。いまは滅びようとする京ことばを、その伝統と行事にとらえて、情趣あふれる文章で再現した名著。

著者について
真下/五一
明治39年5月5日、京都府丹後峰山町に生まれる。明治大学在学中から執筆活動に入る。昭和十年代、舟橋聖一を軸に、評論の野口富士夫、福田恒存、小説の豊田三郎、桜田常久、高木卓、児童文学の坪田譲治らすでに各界で活躍の中堅メンバー等と行動文学運動をはじめ、意欲的に文芸活動を展開。『若草』『作家精神』『行動文学』『三田文学』『文学界』等を舞台に作品を次々に発表。特に京都の旧弊・因習に真正面から向き合った短編『暖簾』『仏間会議』は問題作として注目され、芥川賞候補にもなった。戦前・戦後を通じ、六十近くに及ぶ単行本のほか、長編新聞連載も十数作、さらに十余の長編雑誌連載など、膨大な作品を残した。『京ことば事典』は文献としても貴重なものになっているが、真下の「京ことば保存」に傾けた情熱とその仕事は特筆に値する。長編小説『京都の人』(講談社)は会話部分はもとより全編を京ことばの会話体で尽くした異色の作品。京ことばの滅び行く様を看過できないという真下の思いは晩年にかけて一層募り、各界に保存の大切さを訴える一方、生の音声で京ことばを残すという事業には自らも乗り出し、LPレコード化してこれを実現した。第一回・京都文化功労者。京都文化団体懇話会・初代会長。昭和53年3月23日、自宅で七十二年の生涯を閉じた。

書籍情報
単行本: 255ページ
出版社: アートダイジェスト; 復刻版 (2006/12)
ISBN-10: 4900455989
ISBN-13: 978-4900455986
発売日: 2006/12

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